クラシックを遊ぶ音楽実験室
“杉ちゃん&鉄平”
どこかで聴いたことのあるあのメロディが七変化!?2人の音楽ザムライが、お堅いイメージのクラシック音楽をユーモアで斬る!聴いて・観て・笑って楽しむ全国行脚、いざ出陣!7/28リリースのニューアルバムは、日本の伝統楽器である、津軽三味線、和太鼓、篳篥、笙、尺八、筝などと絶妙にコラボし聞き応え抜群、これはもう“冗談音楽”を超えている!
text&photo■門屋奈緒
☆ LIVE! 8/1(日)松山MONK ※詳細は2p参照
★NEW AL『クラシック侍~龍馬や信長も聴きたかったクラシック~』NOW ON SALE!
クラシックをベースにしたエンターテインメントショー。衣装の早替えもやりますし、今回はなぞ賭けもやります!
■NEW AL『クラシック侍』では、ヴァイオリンとピアノで日本の歴史を斬って頂きましたが(笑)、これは今の歴史ブームを反映してのテーマですか?
杉「去年のツアーの時に作った作品です。もともとライブで、西洋の音階でできているクラシックの曲を西洋の音階以外で演奏したらどうなるかというのを白衣を着てやる実験コーナーがあり、今回はそれを日本の音階でやってみました。江戸時代初期は、教会音楽からクラシックというものが生まれた時期で、幕末くらいがロマン派などクラシックの名曲が一番たくさん生まれた時期だったんです。じゃあ江戸時代にもし鎖国してなかったらきっと早くに日本に入ってきて日本の楽器と一緒になった音楽が生まれたんじゃないかと、そんな想像をしながら作った作品です」
■たくさんの日本の伝統楽器の奏者とコラボしていますが、彼らと競演するに至った経緯は?
杉「僕たちは毎月ゲストを迎えたライブをやっているんですが、今年の2月に津軽三味線の浅野祥君にゲスト出演してもらったんですが、それが面白くて和楽器と共演するコツみたいなものを教えてもらって」
■和楽器とやることの難しさは?
杉「造りが全然違うので西洋楽器のようなドレミファソラシドの12音階は出ないくて、ミファラシレの5音階なんです。12の音の主要な音を5音にうまくブレンドしました。こういうパターンは今までも誰もやったことないはずです。ピッチ(チューニング)の標準値が微妙に違うので、ピアノはぎりぎりまで調律を変えたり、尺八は穴を削ったりしながらお互いが歩み寄ることによって解決しました。笙と篳篥は音が動かせない楽器なのでテクニックを駆使しました」
鉄「クラシックの原曲を知っている方は行きたいコード進行に行かないので気持ち悪い、けどこの気持ち悪さがハマッちゃう、不思議な感覚に陥る、みたいな。この感想が嬉しいんですよ(笑)。日本人の心にこの5度の和音が響くと気持ちが落ち着くようです。子供の頃に和楽器しかなかったわけじゃないのに落ち着くって不思議ですよね、日本人のDNAなんでしょうね。『まんが日本昔ばなし』の曲の最後も5度の和音で終わってるんですよ。これを気持ちよく感じるのは日本人だけだという)
■しかしよく伝統楽器の奏者の方々がこの冗談音楽にお付合い頂けたなと(笑)。
鉄「琴や三味線は和楽器の中でも歴史が新しくて、派手で目立つ存在のメロディ楽器なので若い方もされていたり、既にコラボレーションされていたり。でも雅楽の楽器は宮内庁お抱えだったりでなかなか人が見付からなかったですね」
■奏者さん達も実はこんな冗談音楽を待っていたんじゃないかと思いました。今までのCDに比べて初めての挑戦も多かったと思われますが。
杉「今回のCDは音楽的だと思いますね。今まではライブでやってることをCDでどう伝えるかというのが中心だったけど、今回はそういうことは無視しました。ライブはライブで楽しいことをたくさん考えています」
■さて、まもなくツアーが始まりますが、また松山ならではの演出もあるのでしょうか?
鉄「前回はモーツアルトがスーパーフジに行ってタルトを・・・みたいなネタがありましたが、今回も地元ならではの音楽とクラシックを融合したりとか、映像を見せつつバイオリンで擬音の音マネをしたりとか、ショウアップしたステージになっています」
■トムとジェリーの映像に合わせて擬音で表現するネタは毎回感動的です。
杉「お子様も楽しめる説明付きの音楽授業のようなネタもあります。勉強にならない授業ですが(笑)。クラシックをベースにしたエンターテインメントショーという感じです。衣装の早替えもやりますし、今回はなぞ賭けもやります。挙手で2人のお客さんに、ジャンルは何でもいいので自分の好きな曲を1曲ずつ言って頂きそれをその場で整える、という」
■お~すご~い!!聞きた~い!!
杉「ガチンコです(笑)。お客さんも空気を読んでね・・・」