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NEWS PRESS ー 新着情報 ー

中村 中 インタビュー!

DOMO PRESS

2019/01/08

中村 中 

「少しでも生き辛い人が少なくなるような動きを、人それぞれで良いじゃんて感覚を残していけるようにしたい」現代のおかしなことを歌う意欲作『るつぼ』に込められた中村 中の想い、そしてアルバムを聴いて感じたこと―

 

 

AL『るつぼ』NOW ON SALE!

LIVE! 1/12(土)高松SUMUS cafe

 

TEXT&PHOTO:kasumi hamada


前作より3年、オリジナルアルバム『るつぼ』を125日にリリースした中村 中。今作は、格差社会の中でもがく人、現実世界の息苦しさからゲームの世界に居場所を求める人、インターネットに縛られている人など、現代の“おかしなこと”をテーマに書き下ろした意欲作。きっと誰もが身に覚えのある内容で、今を生きる人たちにとって他人事とは思えない楽曲が詰め込まれている。恐怖、焦り、怒り、悲しみ。様々な感情が渦巻く社会の様子を、楽曲毎にまるで別人かのように表現している歌声がさらに聴き手の日常に入り込み、心を揺さぶる。今回彼女にインタビューして感じたのが、出会いに対してとても丁寧で真剣だという事。最初と最後に握手をギュッと、インタビュー中は筆者の言葉をメモしながら、まるでワークショップのように意見を交わし、自然体でありながら、慎重に言葉を選んで発していた。中でも大事にしてくださっていたのは、聴き手側の感想。「良いんです良いんです!間違いなんてないんです」そう言って、解釈や感想は聴き手に委ねる。この『るつぼ』というアルバムはそういう彼女の姿勢のもと、“誰か”ではなく“アナタ”一人ひとりに投げかけている作品だ。

 

「このアルバムを作った時資料にも書いたんですけど、聴いた人がどう思ったかを発信して欲しいんです。香川県の日常に引っ掛からない曲もあると思うんですよ。それを東京から来ている私が熱弁するっていうのもなんか変かなと思っていて。地元で日々生活している人たちが感じた事が書かれた記事を、地元の人が読むのが自然じゃないですか。そういう風にしたいんですよね。そこに補うヒントとして何でもお話しますので、そんな感じでまとめていただいてもいいですか・・・?」

 

まず初めに数人のインタビュアーが一人ずつ自分の感想を伝えた。その想いをうんうんと聞いて、彼女はこう言ってくれたのだった。

 

『るつぼ』を聴いて個人的に考えたのは、生きにくい現代の中での自分の在り方。特にM6『蜘蛛の巣』はSNSが普及したネット社会を取り上げ、他人の不幸を喰い物にして、顔が見えないのをいい事に簡単に他人を傷付けてしまう世の中へ警鐘を鳴らしている。“さぁ脱げ 吐け 見せろ 堕ちろ でも面白くないのは許さない”中村 中の鬼気迫る歌声と、他者を思わせるコーラスに恐怖すら感じる。これが今の日本だと思った。個人の行いや言葉が全世界に筒抜けのこの現状は、良い効果ももちろんあるけれど、それを上回って悪しき方向へ流れるばかり。一度発言したものなら、驚くほどの速さで拡散され袋叩き、飽きたら数週間後にはゴミくずのように捨て去られる。会社や学校など、自分が今存在しなければいけない場所でも同じように周囲の監視の下でどこか肩身狭く生活している人は少なくないと思う。虚偽や捏造も見抜けないまま、ただ“みんながそうだから”という理由で自分の口を閉ざして必死に頷くふりをする。悪目立ちしないように、周りから批判されないように・・・いつの間にかそんな風に生きるのが当たり前になってきたように思う。社会人歴たった数年の筆者もそんな風に毎日を過ごしているが、自分の場合は特にアーティストのインタビュー記事やCDレビューを書く際は特に神経を尖らせて言葉を選ぶようにしている。そのアーティストや楽曲について自分の意見を書いて批判されるのがこわくて、なるべく当たり障りのない文章になるように意識的に言葉を選ぶようになった。一体誰に、何に対して気を遣っているのか。そんな自分に不甲斐なさを感じ、いつか自分の言葉で伝えられるようになれたら…そう思うきっかけをくれたのがこのアルバムだと伝えてみた。

 

「・・・凄く素敵。聴いてくださってありがとうございます。確かに、書く人の育ってきた環境とかによって感じ方や感想が変わるのが普通だから、書き方が変わって良いはずなのに結構似てたりしてね。なんかちょっと変だなと感じますよね。だから今これを読んでいる人にも、文章を書いてる人もこういう風に考えてるんだって思ってもらえるかもしれないですよね。そうすると、私ももっと自分らしく感想を言いたいなとか思ってもらえるかもしれない…!」

 

 

 

「なんか胸打たれたなぁ」と笑顔の彼女に、自身はSNSとどう向き合っているか尋ねた。

 

「凄く気を付けています。まぁでも、想像力ですよね。どういう言い方をすれば良いかを常に考えていて。あと必要ない事は省くとか。私は一旦言葉を紙などに書いて確認して、この書き方はふさわしくないなって考える方が向いているんです。それをじっくり時間をかけられるのが歌で。SNSはじっくり時間はかけられないけど一応読み直せるじゃないですか。だから書きたい事を書く時に、時々批判的な事が生まれる時もあるんだけど、尊敬を持って言葉を発するというのは大切にしています。これを読んでる人も人間なんだという感覚は守って発言していますね。顔を知らない人でもリスペクトを持って。そんな感じです」

 

他者との繋がりという部分で、オンラインゲームが題材となっているM3『箱庭』はエレクロトなサウンドに乗せて現実世界とゲームの中の世界の“僕”が描かれている。中村 中自身も、学生時代クラスメイトとコミュニケーションが上手く取れず、オンラインゲームをやっていたという。ゲームの中では人を助けられたり、自分がリードする事が出来るゲームの世界でびくびくしないで振舞えたことが現実でも少しだけ自信を持って行動出来たという経験を語ってくれた。そして『箱庭』という曲をきっかけに新たな出会いにも繋がった。この曲のトレーラーに、ゲーム実況グループ『三人称』がナレーションとして参加したのだ。

 

「これが本当にたまたま、私がずっと『三人称』のファンで動画を見ていたんです。初回盤のDVDに入っているんですけど、『るつぼ』の全曲のPVを録ろうという事になったんです。それを切り取ってトレーラーを作ろうとなった時に、三人称に実況してもらえたら面白いかもと思って。ダメもとで長文のメールを送ったら、どの部分に引っ掛かってくれたのかは分からないんですけど、ドンピシャさんが返事をくれて。多分同じ事を言ってくれていたんだと思うんです。未だにゲームって暗いイメージや、だらしない人がやるイメージがありますけど、今はeスポーツという世界中の人と競える注目のスポーツにもなっているし、沢山の人が集まって熱くなれるツールになっていて。ゲームはコミュニケーションを遮断しているのではなくて、寧ろ繋がれるツールですよね!という内容の返事が来て。それで会いましょうと言ってくれたのでちょっと通じ合えたのかなと。その時点で私はこの曲でやりたかった事が叶ったと思っていて。『箱庭』という曲では、現実の僕の事を一体誰が人間として見てくれたんだと、現実で起こっている事に目を向けて欲しいなと。ゲームをやってる人は暗い奴とか言うけどさ、暗い奴にしたのは誰だよって事を考えて欲しいと思って作っていて。私はゲームを通じて現実世界で三人称と仕事が出来て、そして三人称の動画から私のトレーラーを観に来てくれる人が居て。仮想現実から現実でも繋がりが作れた…!ほら繋がれたじゃんって思えたんです」

 

 

 

 

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