![]() ![]() KOBUKURO LIVE TOUR '06 “Way Back to Tomorrow” 11/12(日)@香川県県民ホール・グランドホール ・・・・・・・・・・・・・・・ text●aco nagata ・・・・・・・・・・・・・・・ 香川県県民ホールが、ストリートライブ会場になった夜…。 ●初めてコブクロに出会ったは2001年の2月。シングル『YELL〜エール〜/Bell』を引っ提げ、デビューを控えた高知でのライブだった。どこにでもいそうでどこにでもいない…この凸凹コンビの黒田と小渕が歌い始めた時の、あの心が震える感じを私は今でもよく覚えている。まだまだ寒さの厳しい夜、彼らの歌を聴いていると、かじかむ心がゆっくりと溶かされていくようだった。インタビューを通して2人の事を深く知り、私は彼らの記事に、こんなタイトルを付けた“大阪ストリート発、未来行き。夢を乗せて、全国へ”。これは直感的にそう感じた気持ちと、私の願いみたいなものが込められていた。あれから5年…ここ、香川県県民ホールを即日完売にしてしまうほどビッグアーティストに成長した彼ら。感慨深さもひとしおである。 「ライブはお客さんが作ってくれるもの」と、2人は言う。「曲がどんな風に皆さんに伝わり、最後にはどんな空間になっているのだろう」と。最新曲の『君という名の翼』から幕を開けたステージは、1曲1曲小渕の丁寧な楽曲の解説が添えられ、“一人一人に歌を届けたい”という彼らの強い気持ちがグイグイと伝わってくる。懐かしい『YOU』、『願いの詩』、そして『ここにしか咲かない花』から名曲『桜』や『DOOR』などベスト盤とも言うべき選曲で、感極まり涙する人々も。かと思えば、お馴染みとなった黒田絶妙のトークが冴え渡るMCに会場中は大爆笑。まさに “泣き笑い”の連続で、この日のお客さんはきっと大忙しだったに違いない。 終盤に入り披露されたのは待ち焦がれたあの曲、『風』。非常に個人的な事を言わせてもらうと、私はこの曲が大好きだ。小渕の作り上げる詞の世界観とメランコリックな楽曲の中に感じる一筋の希望感。瞬間の中に存在する永遠を感じていつも涙が出る。それをパワフルだが繊細な黒田のハイトーンが優しくリードする。生で聴けて感無量だ…と、目頭を押さえていると、リズム隊がフェードアウト…何と曲の最後はアカペラで!!しかもマイクも通さずに…。感じるはずのない屋外の“風”を体感した一時。ここは県民ホール?それともストリート?そんな自問自答を繰り返さずにはいられなかった。『宝島』、『太陽』と、アッパーなナンバーが会場中を盛り上げ、本編ラストはお馴染みのストリートから誕生した曲『轍』。圧巻だった。サビの大合唱は、今まで聴いたライブの中でも一番だった。この勢いが停止することはないのではないか?とさえ思った。驚くべき会場内のボルテージの高さや一体感、溢れ返るような感情のうねりは、間違いなくお客さんとコブクロの2人が作り上げた究極のストリートの形だろう。 「―♪どんな時も 僕はいつでも ここで歌を唄ってるだけ―『轍』より」。 数人の前で唄っていたあの頃と、数千人の前で唄う今、環境は違っても彼らのモチベーションは何ら変わっていない。簡単そうでとても難しく、当たり前だが偉大なこと。変わることなく進化し続けるコブクロ、これから先はどんな活躍を見せてくれるのか?“大阪ストリート発、未来行き。夢を乗せて、世界へ!”と、楽しみで仕方ない。 |