NEW AL『HELLO MELLOW』を完成させ、4月には高知・香川でのライブも控える彼ら。3人の個性を色濃く投影させたバラエティに富んだ今作は、S.O.Sにしか奏でる事のできない究極のラブ・ソングが詰まった傑作だ。手に取り、PLAYボタンを押すと同時に目の前には新しい世界が広がるはず。

interview&text●aco nagata●

 

「今後もラブソングを歌い続けてやろう!!それしかできないですけど!」


アルバムを聴いてまず感じたのは、別れの歌などもあるのに全編を通して明るくポップであり、大きな愛に包まれているような印象を受けたこと。前作の『Save Our Souls』や『Sounds Of Snow』で見せたサウンドに対する追求といった内側に向かったベクトルではなく、また新たな方向性=新しいS.O.Sの息吹を感じる作品になったと思わせる作品。

「現状維持でいると後退しているような気分になるんですよ。だから常に変化したいというか、ちょっとずつでも前に進みたいですよね。僕ら今までやってきてこのアルバムを作る事で、次のステージ“10年”っていうのも少なからず見据えているだろうし」(KO-HEY/Dr.) 「“メロウ”っていうのは機が熟したっていう意味もあるんですけど、これはリーダー(KO-ICHIRO/Key.)が良く言ってる言葉なんですが、グループとしてもこのアルバムに出会えた事で、ある意味機が熟してきたかなと」(TAKE/Vo.)


S.O.Sというスタイルを確立する作品となった『Save Our Souls』を制作できた事が大きな自信に繋がり、だからこそ『HELLOMELLOW』といういい意味で肩の力が抜けたバラエティ豊かな作品を生み出せた言う彼ら。

「2003年はちょっと冒険したり、ちょっと緩めてみたり…色んな事をやってみた上での『HELLO MELLOW』ですから…」(TAKE) 

その内容というのも実に素晴らしく、3人がヒットメーカーという強みを生かした1曲1曲のクオリティはもちろん、アルバムの楽曲構成がまたその素晴らしさを引き立たて、ライブへのガイド的役割も果たす。

「曲順は今回凄くこだわったんですよロンドンで最終的なミックスとマスタリングの方を行ったんですが、ギリギリまで悩みまして…。3人曲名を紙に書いて、松尾潔氏を含め皆で本当に詰めました。で、出来上がったものを見た時にハッと…ライブの曲順だとこうするな〜みたいなね。一時間少々を通して僕らの世界観に浸ってもらえるような流れを凄く意識したので、そういう意味でライブ感のある作品に仕上りましたね」(TAKE)  

歓声が沸き起こる『Oh Yeah!』から『琥珀の月』への繋がり、自身等の生演奏による『Sing a Song(4U)』、間奏的な役割を果たしている『nite flite』〜『Buttrefly』への移行。KO-ICHIRO氏作のDISCOサウンド『Through the Night』やS.O.S流歌謡曲『もうひとつの結末』、ボーナストラックにはあの『My Gift to You』と最後まで実に楽しめる。バラエティに富んだ中にも芯の通った統一感のようなものを感じるのは、タイトルにもあるキーワード“メロウ”のせい。

「“メロウ”っていうのはあくまでもドラマ的な非現実的世界では無くて、日々頑張っている中での贅沢な時間(=メロウ)。お風呂でも何でもいいんですけど、その中の一つとして音楽が存在しているというような…だから今までそういった音楽の使い方をしたことのない人に、僕らのアルバムを通して(使って)そういった時間を過ごしてもらえたら嬉しいなという思いがありますね」(TAKE)  

別れのメロウ、出会いのメロウ、愛する事のメロウ…そんな数えきれない程の『メロウ』が詰まったこのアルバムあなたならどう感じるだろうか? 

「世の中では2003年いろんな出来事が起こりましたよね、そういう事は絶対に無視はできないんだけども、ピースだの◯◯反対だのって言っても僕らのスタイルではしょうがないなと。で、思った事がラブソングを歌い続けてやろう!と。それしかできないかもしれないですけど、音楽って言うのは確実に心の中に作用していくものだから。そう意味で俺達はラブソングを歌って行くんだと考えています」(TAKE) 

沢山の愛とメロウを込めて、4月のライブが待ち遠しい。
●LIVE⇒4/22 高知県民文化ホール  4/23 香川県県民ホール
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