RAG FAIR
TOUR 2003 RAG F 
3/8@香川県県民ホール・グランド 

photo&text●aco nagata 




初の四国ライブ! 

フジテレビ系「力の限りゴーゴゴー!!」 内企画「ハモネプ」でブレイク、あまりに 有名になってしまった6人組(加藤慶之、 土屋礼央、荒井健一、引地洋輔、奥村政佳、 加納 孝政)『RAG FAIR』。ボーカル4人、 ベース、ボーカルパーカッションといった 構成で、リードをとれる幅広さが特徴、と びきりの元気とパワー、絶妙のハーモニー は多くのファンを魅了。昨年リリースされ たシングル『恋のマイレージ』『Sheサイ ドストーリー』がオリコンチャート1位・2 位を独占するなど、数多く存在するであろ うJ-POPアカペラグループの中でも、名実 共にトップアーティストに名を列ねた。そ んな彼らの目覚ましい活躍を、ブラウン管 を通してしか見る事のできなかったファン にとって、この日がどれだけ待ち遠しかっ た事か…。かくして“四国初ライブ”とい う緊張感で結ばれた会場とステージ。高揚 した場内の雰囲気がピークに達する頃彼ら はその姿を現した。 

in my heart 

「これが本当にアカペラだけ…?!」最初 の感想はコレだ。何故ならおっくんのボイ パは限り無く楽器だったし、リードヴォー カル・レオの歌声には果てしない可能性を 感じた。それを支えるベースやリズムの何 と言うブレのなさ、ブ厚さ…ツアー終盤で ありながらも、とにかく彼らはベストに近 かった、いやベストだった。しかし、これ だけ完成度の高い歌声を披露するRAG FAI Rのパワーの源って一体何??私のこの疑問 はM-6『in my heeart』でクリアになる。 曲前のMCで加藤がこう言った「最近ちょっ と思っている事があって…自分にとって運 命の人…それは一緒にいて楽しい時間を過 ごせたり、もしぶつかって別れたとしても お互いに成長できたと感じることができれ ばそれは運命の人で…そういう運命の話は 男女間だけでなく存在すると思うんです。 RAG FAIR 6人の出会いも運命だったと僕 は感じています」加藤は続けて語った。レ オが高校時代卓球部の先輩だったこと、1 回だけレオと行ったカラオケで、彼の歌の 上手さに驚いた事、そして大学に入りRAG  FAIRのメンバーを集めている時に、レオの 存在を思い出し誘ったという事…。「高校 の時に行ったあの1回のカラオケが無けれ ば今日はありません。色んな偶然が重なっ て僕らはここにいるんです。それは幸福な 必然でもあったと思う。そしてこの6人で なければ皆さんと出会うことも無かった。 こうして皆さんと一緒に過ごせる事も運命 であって…だからこそ大切にしていきたい」 そんな彼らの気持ちが込められた『in my  heart』は、多くのファンの涙腺を緩めた。 “皆がいてくれるから僕らは一生懸命歌う んだよ”なるほど、彼らの原点はココなん だ。 

MUSIC RAG FAIR=アカペラの可能性 

じっくり聴かせた後、暗転して今度はコメ ディータッチで彩られたステージ。恵俊彰  風レオ&鈴木杏樹 風洋輔のアナウンスにの せて「MUSIC FAIR」ならぬ「MUSIC RAG  FAIR」コーナーが登場。“RED FIRE”に 姿を変えた面々はドラムロールに合わせ世 良公則率いるツイストの名曲『あんたのバ ラード』〜あんた違い編〜や、井上陽水の 『飾りじゃないのよ涙は』を〜タクシード ライバー編〜にパロディ化。『きよしのズ ンドコ節』ではお約束の部分を歌い手加藤 に合わせて加藤コールもバッチリ!途中で 倒れたが?!クリスタルキングの『大都会』 を歌った健一の歌唱力は鳥肌モノだったし (CMでは香川の土地柄をよく勉強したのか 提供にはコトデンを入れる等サービスもバ ッチリ)…とにかくこのコーナーでは彼ら のコミカルな部分に、持ち前のハモリ技術 の高さがプラスされ、エンタティナーとし ての才能も十二分にアピール。「アカペラ ってこんなに色んな事を表現できるんだ!」 と目からウロコ。アカペラだけなのにアカ ペラだけじゃない、だったら何?それがRA G FAIRなのである。 

「元気を食べて帰って下さい!」 

RAG FAIRというグループ名の由来にはと ても面白いエピソードがある。話し合いの 時に加藤が着ていたTシャツに書かれてい た文字が、つまりそれだ。意味は分からな かったが、何となく響きがいいからという ことで、RAG FAIRに決定…後にRAG=古 着、悪ふざけ。FAIR=バザー、仮装行列の 意、と知る。その話しを聞き、実に彼らら しいやり取りに苦笑した。そしてここでも 幸福な必然を私は感ることに…。お祭りや フリーマーケットのあの感じ。ざわざわし てて賑やかで、それでいて楽しくて。いい 買い物すればハッピーになるし、色んな人 が集まる場所。そこには漲るパワーがギシ リ詰まっている。まさに彼らにピッタリ! そして、それらは丸ごとすっかり彼らのラ イブにあてはまってしまうのだから驚きだ。 アンコールラスト、僕ららしいのはやっぱ りこんな曲、「元気を食べて帰って下さい !」と言って始まった『ダンス天国』。絶 妙のハーモニーとタイトなビートが 織り成 すサウンドは、人間の声の持つ力の素晴ら しさを改めて実感。そしてそこに詰まった 元気の固まりは、この日香川県県民ホール に集まった全ての観客のハートを満タンに した。 

RAG FAIR are… 
■加藤慶之(かとう)ハイテナー担当。 ■土屋礼央(れお)テナー担当。 ■荒井健一(けんいち)テナー担当。 ■引地洋輔(よーすけ)バリトン担当。 ■奥村政佳(おっくん)ボーカルパーカッション担当。 ■加納 孝政(かのう たかまさ)ベース担当。 

 

SET LIST 
1.マジカル恋のパワー 
2.START 
3.恋のマイレージ 
4.sheサイドストーリー 
5.tea time lover ・my heart 
6.あんたのバラード 
7.飾りじゃないのよ涙は 
8.きよしのズンドコ節
9.大都会 
10.ALL ABOUT LOVE 
11.dolphin 
12.あさってはSunday 
13.だから忘れない 
14.空がきれい 
15.ラブラブなカップルフリフリでチュー 

EN
1.かえりみち
2.ダンス天国