メジャー初となる傑作ALを携えて、やってきたぜ初四国!
昨年末にリリースした「クリスマス・イブRap」が大ヒットとなり、瞬く間にその名を、その正体を公に現したKICK
THE CAN CREW=キック。時を待たずしての超ゴキゲンなパーティチューン・景気回復ソングSG「マルシェ」のヒットは、それがフロックじゃないことを証明する、彼らにとっては新たなアンセムとなった。そしてAL「VITALIZER」のドロップ。この凄まじくも頼もしい快進撃、指をくわえて見てろ!って訳にはいかないでしょう。どれだけこの日を楽しみにしていた事か、オリーブホールを埋め尽くした男子・女子の高揚した顔、上がりまくった会場のテンションを肌で感じれば多くを語る必要はないか。オープニングを飾ったINNOSENCE×DJ
TATSUTAのGOODパフォーマンスも手伝って、とにかくコンディション抜群の中でライブは始まった。
KICK THE CAN CREWのアイデンティティ=VITALIZER
VITALIZERとはバイタリティの形容詞で、俗に「元気付ける人、モノ」という意味がある。今回のライブで私はかなりのエネルギーを彼らからもらった。異様なほどに会場に充満していた3人の根本的なパワーを受けたのはもちろんのこと、特筆すべきはやはり知的なトラック&リリックから。自分に自信を持つ事の大切さを深く刻んだ「スーパーオリジナル」、インディーズ時代にリリースした「タカオニ」に比べ、実にポジティブだった「タカオニ2000」、人生の応援歌とも言うべき「今日から明日」、書き出せばきりがないのだが、泣けるフレーズ連発の「VITALIZER」、SHUHOの絶妙なDJ・スクラッチにのせて、リリカルマダラーKREVA/LITTLE/MCUが繰り出すシュールな作品達には脱帽。様々状況下に置かれ、人間はそれでもたくましく生きていかなければならない。答えを見つけ出すのは大変な事だけど、それでもそれから逃げるな!やらないでどうする!という気持ちにさせてくれるのが、キックの良さ。VITALIZERたる由縁だろう。
思い起こせば「スーパーオリジナル」でデビューしてからわずか9ヶ月で5枚のシングルをリリース。普通に考えても、その行動力・バイタリティは常識をはるかに超えている。そこには体力的なモノはもちろん精神的なタフさも要求されてくる訳だが、今回のライブにおいても同じ事が言える。メロディに乗せて歌うポップスやロックとは違い、果てしなく喋りつづける事によって成立するHIP
HOPは、普通のコンサートの何倍もエネルギーを消費する。そんな状況の中、彼らは約2時間・計20曲をやってのけたのだから、いや凄い。そういう意味でも、やはり彼らはVITALIZER。そしてそれについて行ったオーディエンス達もまたしかり。最上級の盛り上がりを見せたラスト「マルシェ」での掛け合いは、見ているだけで気持ちが良かった。
HIP-HOPの可能性
「コワモテで近寄りにくい」とか、「韻を踏む事ばかりを重視した内容の薄いリリックが多い」などのイメージが先行して、アンダーグラウンドな世界に居続けたHIP-HOPだが、キックの作るトラックを聴けば、きっとそのイメージは覆されるだろう。何故なら彼等のリリックは限りなく等身大でストレート、ストーリー性にも富んでいて、ライミングは叙情的&スマート。共感できる部分が多いからだ。キックの登場により、HIP-HOPというジャンルがポピュラーミュージックのように、メジャーでも通用するのでは?という期待を持つのは私だけではないだろう。ヒップホップ界のアボリジニ、フロンティアスピリット全開で、これからもスーパーオリジナルな世界を切り開いて行って欲しい。
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TEACHER・CREVAのちょっといい話。
「HAPPYサイクル計画」
@リスペクトするアーティストのCDはお金を出してきちんと買いましょう。それは無駄な事では決してありません。Aお金を出して買う事で、アーティストは潤い、より長く活動する事ができます。B長く活動できるという事は、またツアーに出ることにも繋がり、ファンとの交流も深まります。C交流を深める事でアーティストもファンから元気をもらい、また良い楽曲を生み出しCDを制作する事ができるのです。 |
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